ufo
ねぇ!見て!あれ!なに?!あれ!
助手席に座る彼女が右斜め前を指さして言った。そこにはいつもより暗い夜があった。その夜のThe Nightの一部分だけを切り抜いたみたいに白があった。長方形だった。白い長方形がThe Nightに浮いていた。
なんだあれ⁉︎と思った。すこし興奮していた。多分彼女も。そこにそれがあるのがとても不自然だからだった。
二人でUFOだ!!と騒いだ。
彼女は飛行機じゃない?気球じゃない?などと言った。
自分は絶対UFOだって!!!!!絶対UFOだって!!!!!と主張した。
主張しながらも一方で、北朝鮮の新しい兵器かも、、。とかなり真剣に思った。が、それを口に出さなかった。
彼女の発した飛行機じゃない?気球じゃない?という言葉は怯えから来ているように感じた。そこへ来て自分が北朝鮮の兵器かも!などと言ったらきっと彼女は泣くだろう。それは嫌だった。
絶対UFOだって!!!!!と声を張った。
しばらくするとその長方形は丸になった。
それは月だった。
うまいこと上下が厚い雲に隠れて長方形みたいに見えたのだった。
月じゃんか笑。と二人で笑った。
ホッとしたようなガッカリしたような気持ちは多分彼女も一緒だったと思う。
そんな帰り道だった。
後日電話で話をしたとき彼女にこう言った。
死ぬ前に今までの出来事が走馬灯のように、、って言うじゃん。そのときにあの夜のことが見れたら良いなって思うんだよね。
と言うと彼女は、ふぅ〜〜んと言った。
良い声だと思った。
カイルさん
お昼に蕎麦屋へ行った。あっさりしたものが食べたかった。
その蕎麦屋は自分の住んでいる家から歩いて二分くらいの場所にあって、この四年間、二ヶ月に一回くらいそこで蕎麦を食べている。
店に入ると四人がけのテーブルに三人の女性が座って談笑していた。花の話をしていた。20代、50代、70代、見た感じその三人はそれぐらいの年齢に見えた。
ダブル親子かな、、と思った。20代と50代が親子、50代と70代が親子。つまり70代の孫が20代。なのかな、、と思って、鴨南蛮そば下さい!とお店の人に言うとお店の人は、はい鴨南蛮そばですね。と言ってから厨房に向かって、鴨南蛮そば一つ!と元気良く言った。
自分の座ったテーブルの隣のテーブルには老夫婦が座っていた。
二人は生まれつき手足のない男がめちゃくちゃ高い山に登っていろいろな人に勇気を与えている。といふ話をしていた。
アンビリーバボ見たな、、と思った。実は自分もそのアンビリーバボを見て感動した男の一人で昨日の夜、39歳の男と二人でお酒を飲みながらまさにその話をその男に熱く語って聞かせたばかりだった。
その男とは夜中まで一緒に酒を飲んで色んな話をした。
帰り際に自分がその男に全力でローキックをすると、その男も全力でローキックをして来た。
痛ってぇ、、こいつなんなん、、
と思ってもう一回全力でローキックをするとその男も全力でローキックをしてきた。
痛ってぇ、、こいつまじなんなん、、。
と思って、もう帰ろうぜ、、と言うとその男は、あぁ、、と言った。
歩きながら、こんなとき口笛が吹けたら最高なのに!!と思った。
つながり
実はついこの前の日曜日にとても興味深いことがあった。いや、とても興味深い日曜日だった、といふ方が正しいかもしれない。
その日曜日、自分は午前8時半くらいに目を覚ました。なんだか身体がダルくてなかなか活動的になれないままテレビをつけるとドラゴンボールを放送していた。
焚き火の前で孫悟空と人造人間17号が話をしているシーンだった。どうやら二人がいる場所はとある島で、17号はその島の動物達を密猟者などから守っているらしいことが二人の会話から解った。
しばらくすると悪い宇宙人がやってきて宇宙船でもって島の動物達をヒューンって感じで吸い上げてしまった。それを見た孫悟空と17号がその宇宙人を倒す、という話だった。
見終わったあともなんとなく心身共にダルくて活動する気分になれないままに夜が来た。
夜になる少し前に近所の花屋で白い花と黄色い花を買った。それを見てれば元気が出ると思ったからだった。部屋に花を飾ってしばらく見つめたがとくに元気は出なかった。花ってかわい〜〜!と思った。
夜中に腹がぐ〜〜!と鳴ったので、すき家いこ!と思って外に出た。星が綺麗だった。
牛丼を食べて帰宅して本を読んだ。
その本には絶滅したオーストラリアの巨大動物達のことがイラスト付きで書かれていた。めちゃくちゃ巨大じゃんか、、。と思った。
そんな日曜日で、いや〜!実に興味深い日だった!と思って眠った。